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母の結婚

第七章 母の妊娠・出産


それから二ヶ月が過ぎ、僕は会社にもなれ父の秘書としての仕事と山田さんの手伝いをしていた。
そして新しい家も完成し先日見に行くと二階建ての大きな家で、一階にはキッチン、リビング、お爺ちゃんとお婆ちゃんの押入と家具が付いた八畳の和室、それにお客さん用の八畳の和室とバス、トイレがあり、二階は父と母のクローゼットが付いた八畳の洋室とそれと同じ作りの僕の部屋と六畳の洋室とトイレが有った。

そして引っ越しには会社の人が手伝いに来てくれる事になり半分はお爺ちゃんとお婆ちゃんの所に行って貰い、僕の所は母が少しずつ準備をしていたのと会社の人に手伝って貰ったおかげで荷物を早く積む事が出来た。
そしてこのマンションはパパの持ち物で今度は人に貸す事になり、僕は会社の宏美さんと優子さん、共に二十二歳とマンションに残り掃除をしてから新しい家に行った。
家に着くと荷物は家の中に運び込まれ、お爺ちゃんとお婆ちゃんの荷物もほぼ運び終わる頃だった。
そして昼は隣の叔母さんが作っていてくれたのでそれをみんなで食べ昼からもみんなのおかげで片づけも早く終わり近くでお料理を取りみんなに食べて貰った。
そして翌日から一時間早く起きて支度をすると父の車で会社に行き帰りは父が一緒に帰れる時はいいが父が遅くなる時は電車で帰り免許を取った母かお婆ちゃんが駅まで迎えに来てくれた。

そして新しい家に引っ越し一ヶ月がたった頃、父と家に帰ると母とお婆ちゃんが嬉しそうにニコニコしていて
「どうしたの、二人で嬉しそうな顔をして」
「あのね、美穂ちゃんはお姉ちゃんになるのよ」と言われ始めは意味が分からずにいると父が
「由美子出来たのか」と言い僕もやっと意味が分かり
「ママ、赤ちゃんが出来たの」
「そう、今日お母さんにお仕事を休んで病院に着いていって貰ったら三ヶ月と言われたわ」と言い僕と父は抱き合って喜び、そして父は母のお腹をさすりながら
「由美子ありがとう。今からは体を大事にするんだよ」
「大丈夫よ。もしもの時は私が会社を休むか辞めるかするから」とお婆ちゃんが言い、そしてお爺ちゃんが帰ってきて
「お爺ちゃんには私が言う」と言い玄関に行き
「お爺ちゃん、ママに赤ちゃんが出来たのよ」と言うとお爺ちゃんはリビングに行き
「本当か子供が出来たいうのは」と言うとお婆ちゃんが
「本当よ。私達の孫が二人になるのよ」と言った。
そして僕は少し心配な事があり
「だけど、男性から女性になった私の事をお姉ちゃんと呼んでくれるかな」と言うと父は
「大丈夫だよ。美穂が辛い目に会ってきたのに由美子はこんなに素直な子に育てたのだから産まれてくる子も素直にお姉ちゃんと読んでくれるよ。それに僕達には始めての子じゃなく二人目の子供が出来ると思っているから」と言って貰った。

それから一ヶ月がたった頃、父は急に一週間アメリカに行く事になり、母が妊娠しているので初めは一人で行くと言っていたのだが、僕は父の秘書なのでついて行く事になり、アメリカでも色んな会社について行き、僕も英会話を習っていたので何とか挨拶をする事が出来た。
そして三日目の夜
「美穂ももうすぐで十八歳になるからアメリカにいる間に性転換の相談をしておくか」
「私は早く性転換をしたいけれど、ママが赤ちゃんを産んでから二.三年位しないと無理じゃない」
「付き添いの事を心配しているのか。それなら心配しなくても美穂が入院して退院するまでは僕がアメリカにいるし、付き添いもお婆ちゃんに頼むか誰かを雇うかするから大丈夫だよ。美穂が早く性転換したいのならパパが何とか考えるから大丈夫だよ」と言い翌日父と病院に行った。
そして病院で性転換の事を話すと先生は
「わかりました。娘さんの手術をする準備を始めます」
と言い続けて
「実はここでは男性になりたい女性から子宮と卵巣を移植し、それによって子供が産めるという手術をもう十例もやっていてそれによって一人はまだ子供が出来てませんが日本人も二人この手術をしてその二人は子供も出来ています。もしよければその手術をされたらどうですか」
「その手術には危険は無いのですか」
「危険は有りません。だけどこの手術費は五百万位掛かりますが子供が出来ない場合も有ります。だけど股間は本当の女性みたいに綺麗に出来ます」
「わかりました。少し娘とも相談して、日本に帰り妻とも相談したいので返事は後にして貰えますか」
「それはいいですよ。はっきり決まってから連絡を下さい。一様、適合の検査だけ今からしておきましょう」と言い僕は色んな検査を受けてマンションに帰った。
マンションに帰ると
「美穂、お前はどうしたいんだ。性転換だけか今日先生が言っていた手術をするか」
「わからない。パパはどっちがいいと思う」
「パパはもし将来美穂が結婚した時パパの孫が出来たら嬉しいよ」と言い鞄から貯金通帳を出すとその通帳には今井美穂と書いてあり中を見ると二千万位有り
「パパ、これどうしたの」
「これは美穂が整形をした時にこれからの手術費用と思って作ったんだ。だから今日言っていた手術をしたいのならしてもいいよ」と言い僕は嬉しくて父に抱きつき、移植手術を受けようと思い、翌日から三日間アメリカでの仕事を澄まし日本に帰った。

そして日本に帰ったその夜、父が移植手術の事を話し
「僕は美穂の将来の事を考えこの手術を受けさそうと思っているんだ」
「貴方、この子の事をそんなに考えてくれてありがとう。それに貴方がこの子の父親だから貴方にお任せします」と言いお爺ちゃんもお婆ちゃんも賛成してくれ
「明日、病院に電話で返事をするよ。だけど問題はいつ手術になるかわからないから僕はいつでもドナーが見つかったら一緒に行くつもりだけど、由美子は子供が出来ても二年位はついていけないだろうから付き添いはすぐにでもお願い出来るようにしておくよ」
「それなら、私は赤ちゃんが出来た由美子さんの事も心配だから仕事を辞めようと思っているの。だからお父さんとも話し合って昨日辞表を出し今月いっぱいで辞めるからもしと言う時は私が付いて行くわ」と言って貰い
「美穂ちゃん、よかったわね。ここにいるみんなは美穂ちゃんの事を大事に思っているのだから美穂ちゃんもお爺ちゃんやお婆ちゃんの事を大事にするのよ」
「それはわかっているわ。私はこれからパパとママ、それにお爺ちゃんもお婆ちゃんも大切にするわ」と言った。

そしてその夜は母と久しぶりにお風呂に入り少し大きくなったお腹を見て
「ママ、少しお腹が大きくなったわね」
「もう五ヶ月になるから。でもねまだまだ大きくなるわよ」
「だけど赤ちゃんは男の子かな女の子かな」
「美穂ちゃんは弟か妹かどちらが欲しい」
「元気な赤ちゃんならどっちでもいい」と言い続けて「ママごめんね。私を男の子に産んでくれたのに女の子になって。だけど私はママの子供でよかった」
「ママは美穂ちゃんが出来た時はまだ中学生で、もう下ろすことが出来なくなっていたの。だけど今では美穂ちゃんを産んでよかったと思っているわ」と言った。

そして一ヶ月、二ヶ月と過ぎママのお腹も段々大きくなり僕と父がお腹に耳をあてると動くようになり、それからも何ヶ月か過ぎ赤ちゃんが産まれる月になり母は大夫辛そうでした。
そしてある日、仕事をしていると
「赤ちゃんが産まれそう」と電話が掛かり僕と父が病院に行くとお爺ちゃんも静岡のお爺ちゃん、お婆ちゃんも来ていてそれから五時間後に元気な男の子が産まれ、僕と父が母の所に行くと赤ちゃんは元気に泣いていて父は母の手を握り
「由美子ありがとう」とだけ言いそれを隣で見ていた僕の手も握ると
「これで四人家族になったね」
「パパ、違うでしょう。六人家族よ」と言った

そして翌日からも仕事が終わると毎日病院に寄り、三日目の休みの日に病院に行くと父が赤ちゃんのベッドに何かを張っていて、そこには『命名 健太』と書いてあり
「実は前から男の子が出来る事は知っていたんだ。それで美穂にはこの日に言おうと思って黙っていたんだけれど戸籍上の美穂の名前を健太から美穂に改名して、今では今井美穂になっているんだ。そして美穂の時も由美子が名前を付けたと言うから健太という名前はこの子にあげてほしんだ。いいだろう」
「パパとママさえよかったらいいわ」と言いそれから三日後に母は退院して健太と一緒に帰ってきた。



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